Azure AD B2Cテナント削除(エンタープライズアプリケーションが消せない件)

Entra ID

業務でのAzure Active Directory B2C(以下、Azure AD B2C)の導入検討に関わったため、個別で検証用にAzure AD B2Cテナントを構築した。その環境はすでに利用しておらずしばらく放置状態であったため先日削除を行った。実施した削除手順と合わせて、削除を進める中でハマったポイントがあったので書き残しておく。

削除対象のAzure AD B2Cテナントは、他リソースを保持している既定のテナントと分離された個別のテナントとして作成されたものになる。実態のイメージは下記の通り。新規で既存と別テナントとして作成されるAzure AD B2Cテナントのリソース(サブスクリプションに対するリンク??らしい)は、既定テナントのリソースグループに作成されることになるので非常にややこしい。

Entra IDとAzure AD B2Cの検証環境構成図

Azure Portalを使ってAzure AD B2Cテナントを削除する方法

実際に行った削除の手順とつまずいたポイントについてまとめる。

Azure Portalでディレクトリ(テナント)一覧を表示、Azure AD B2Cテナントが現存することを確認する。

Azure Portal ディレクトリ一覧

既存テナント上の、Azure AD B2Cが作成されたリソースグループに移動、B2Cテナントリソースを選択。

Azure Portal画面リソースグループ概要

[削除]を実行。

Azure Portal画面Azure AD削除実施画面

“このリソースを削除するだけではAzure AD B2Cテナント上のユーザやアプリは削除されない”らしいが、とりあえず削除してみる。

サブスクリプションに対するリンク削除確認
Azure Portal通知画面

削除完了後、ディレクトリ一覧を確認、対象のAzure AD B2Cテナントはまだ存在しているようだった。

Azure Portal ディレクトリ一覧

ディレクトリを切り替えてみたが、下記の通り、AzureAD B2Cテナント自体は残存しているようだった。警告メッセージの通り、リソースグループ上に存在していたサブスクリプションへのリンクを削除するだけではテナントを完全に消去できないようなので、最終的にはAzureAD B2Cテナント自体を削除を行った。

Azure Portal ディレクトリ切り替え時

ディレクトリ一覧から既定のテナントに戻り、[Azure サービス]または[リソース、サービス、ドキュメントの検索]から[Microsoft Entra ID]を検索し、選択する。

リソース、サービス、ドキュメントの検索でEntra IDを検索

Entra IDの管理画面に遷移するので、画面上部にある[テナントの管理]を選択する。

Entra ID概要画面のテナント管理項目

テナント一覧が表示されるので、削除対象のAzure AD B2Cテナントにチェックを入れる。

テナント管理画面のテナント一覧

[削除]を選択し、テナント削除を実行する。

テナントの管理画面でテナント削除実施

Azure AD B2Cテナント削除を実施するには、テナント上に作成されたリソースたちの削除が必要になる。削除が必要なリソースは下記の表の通り。[必要な操作]列に表示されるリンク先で1項目ずつ必要な操作を行っていく。

テナント削除時の確認画面
リソース
ユーザー
LinkedInアプリケーション
アプリの登録
エンタープライズアプリケーション1
ライセンスベースのサブスクリプション
Microsoft Azure サブスクリプション
セルフサービスサインアップ製品
Microsoft Entra ドメインサービス
多要素認証
IDプロバイダー
ユーザーフロー
IEFポリシーキー
Identity Experience Frameworkポリシーキー
※1 :エンタープライズアプリケーションのうち、Graph Explorer, IEF Setup Portalの2つについては削除せずともテナント削除を実行できた。

エンタープライズアプリケーションについては、Azure AD B2C上に既定でGraph Explorer, IEF Setup Portalの2つが存在しているが、これらについては削除せずとも削除実行ボタンが有効化された(Azure AD B2Cの仕様のためそもそも個別削除できない様子)

必要な操作一覧のエンタープライズアプリケーションの状態

エンタープライズアプリケーションを除く、各項目に対して求められる必要な操作を行い、最終的に下記の状態となることを確認する。

[削除]ボタンを押下する。(エンタープライズアプリケーションがGraph Explorer, IEF Setup Portalの2つしか残存していないにも関わらず削除ボタンが有効化されない場合は、[更新]の実施を試してみてほしい。)

テナント削除画面の削除実行の様子

13:通知でテナント削除が完了したことを確認する(削除自体はすぐ完了します)

Azure Portalのテナント削除完了通知

B2Cテナントが削除されていることが確認できる。

テナントの管理のテナント一覧(削除実施後の確認)

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