ストレージアカウントには汎用v2、ブロックBLOB、ページBLOBなど複数種類があるが、どれがサーバ復元の際に選択するバックアップステージング用のストレージアカウントとして利用できるのか、種類によってリストアに何か差が出るか比較してみた。
今回の検証ではステージングに使用するストレージアカウントとして、汎用 v2、ブロックBLOB、ページBLOBの3種類を試してみた。
パフォーマンス | アカウントの種類 | 冗長性 |
Standard | 汎用v2 | LRS |
Premium | ブロックBLOB | LRS |
Premium | ページBLOB | LRS |
Microsoft様のサポートブログに”Premiumタイプは利用できない”、と記載があるが、その点も確認するためにPremiumタイプのアカウントも利用してみることにした。
復元対象のサーバはAzure 仮想マシンのubuntuを選択した。詳細スペックは以下の通り。
- OSエディション:ubuntu 20.04
- SKU:Standard B2s (2vcpu、4 GiBメモリ)
- ディスク: OSディスク(Premium SSD LRS 30GiB)
検証内容
復元方式は[新しい仮想マシンを作成]を選択する。これはバックアップ取得元のVMと別VMとして復元するものだ。復元先の仮想ネットワーク・サブネット・リソースグループは、バックアップ取得元のVMが接続しているのものを選択する。
上記の方法でリストアを行い、以下の観点をチェックする。
- どの種類のアカウントがステージングに利用できるか
- 選択するストレージアカウントによってリストア速度が変わるかどうか
Premium ブロックBLOBを使用した場合
結論を先に書いておくと、ブロックBLOBのストレージアカウントはステージングに利用できなかった。選択事態は可能だが、リストアを実行した直後にバックアップジョブが停止してしまう。
復元を実行したが、失敗に終わった。
詳細を表示したところ、エラー情報が出力されていた。
選択したストレージアカウントが復元をサポートしてない、Basic/Standardタイプのストレージアカウント、LRSもしくはGRSのものでないとダメとのことだ。
Premium ページBLOBを使用した場合
続いて、PremiumタイプのページBLOBを使ってリストアを試してみた。
結論、PremiumuタイプであってもページBLOBを利用するのであれば、リストアを行うことができた。
リストアは3分10秒で完了した。
使用したページBLOBのスペックは以下の通り。アカウントの種類がpageBLOBではなく、StorageV2となっているが(この件に関する検証はこちらをご参照)、Premiumタイプであることはわかる。
Standard StorageV2 (汎用 v2)を使用した場合
本来はこのタイプのものを利用するのが正しそうだ。当然、リストアは行えた。
リストアにかかった時間は3分10秒なので、Premiumタイプをステージングした時と変わらないことがわかる。
結論
Standardタイプでなくても、PremiumのページBLOB(なぜかportal上では汎用v2扱いになる)であれば、リストアのステージング用ストレージとして使用可能であった。
StandardタイプであってもPremiumであっても、30GiB程度のサイズのOSであれば、リストア完了までの時間に差はなかった。(よって、Standardタイプを利用する方が経済的。)
以上。
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